⑤ 忘れっぽくなる
年齢を重ねて何が困るかと言えば「やたら もの忘れがひどくなるのです
朝、出掛ける時、準備物、探し物に30分はかかることです。
出掛けてから忘れ物に気付くのです。ハンカチ、携帯、眼鏡、薬、財布、名刺、ペン、本、資料等々、朝の出掛ける準備の時間のかかること、一日の生活の中でも部屋はもう一人住まいで狭くしていますが、どこに置いたのか? 探しまわります。
そんな事ですから、まわりに迷惑を掛けたくないので旅行や出張も気が気でないのです。
出長の多い生活をしていた私ですが、列車の中の忘れ物の多かった。
秘書は「井上先生の忘れ物は 必ず帰ってきますから!」と言ってくれますが、乗った列車と座席の番号、タクシーは全て領収書をとり、ホテルは全て常宿ですから、戻ってくるのでしょうね・・・しかし、自己嫌悪に陥ります。
これからはそうもいきません!! 老いれば脳の中にカスが溜まり、記憶力が衰えるのは当り前の現実。忘れっぽくなりたくない! しかし、許してくれません。恐怖です。
若い皆様に申し上げます。年を取ってしたいと思うことを50歳~65歳の15年間にしておきなさい!!
④ 孫と遊ぶ
大泉あきらの「孫」の歌謡曲の通り 孫ってかわいいものですし、その子らの行動、会話を聞くだけでうれしく、楽しく、癒されるものです。
しかし、それも3時間ぐらいですか? 疲れるからです。無責任に時間が過ぎれば、離れればいいので実の子より楽でいいですね。
年寄りはすべからく「孫には甘い」と言われていますが、私もその一人になっています。私の所へ孫が顔を見せてくれれば、一人づつに千円、ポチ袋にいれたお小遣いを上げることにしています。人様にお金をチップであげる場合は、必ずポチ袋に入れる事を習慣としています。
ポチ袋を選び、探し出すのも私の習慣でもあり、鞄の中にはいつも新しい袋が入っています。
孫たちは親のしつけで、両手で受け取ってくれて「ありがとう」といってくれます。実の子供たちとは仕事中心でかまってやれなかった「罪償い」の気持ちもあり、「大甘なおじいちゃん」になっているのでしょう。
罪償いは経済的な面で返すより方法はないでしょう・・・
老後ってのはお金が要ります。孫や子供、その配偶者、お世話になる人様への感謝のしるし「若い時のケチは美徳、年老いてのケチは醜悪」心に刻んで生きてきました。
③旅ができなくなる
「井上さんの趣味は何ですか?」
多くの方々から質問を受けます。住居のマンションでは種々のサークルを作っておられるのですが、どこにも入る動機が起こりません。
本当の答えは 「旅行」 としか申し上げられません。
全欧州、全米国、全アジア、全日本、考えて見れば学生時代はイタリアを拠点として全欧州をヒッチハイクで訪れ、コンサルタントになってからは米国、アジアはすべて回り、国内はあらゆる都市に仕事で出かけております。
しかし、風光明媚な観光地も未だ いくつか残っており、行くところはあります。8月の末にはヨーロッパで唯一残っておりましたポルトガルに出掛け、これで海外旅行は終わりにする予定です。
「旅が出来なくなる」 と書きましたが、周りの人々のお世話になりたくない、面倒を掛けてはいかん と思うからです。
私の心臓は 心室頻拍防止ICDの機械が入っており、大都市を旅行してくださいと医師に云われております。僻地の心臓の専門の病院もない所で急病になったらとふと不安になりますし、迷惑をかけるだろうと心細くなります。
昔、台北のホテルで九州の陶器会社M社のÝ専務がベッドで本を読んでいる姿でお亡くなりになった事が、この年になり思いおこされるのです。
アマゾンやケニアやヒマラヤに行く旅の夢が破れてきました。
もっと早くに仕事を離れて、こんな秘境を旅しておけばよかったと・・・・
② ゴルフ場の支配人になりたい!
40歳より始めたゴルフの趣味は、それはそれは楽しいものです。前述したように私は「樹々」「草花」が大好きです。全国北から沖縄の各地、米国、カナダ、メキシコでもゴルフを楽しみました。ゴルフプレイだけではなく、植わっている樹木が各地、それぞれの気候に合わせて種類が異なり、その風景もそれぞれ趣があります。
老後になったら、ゴルフ場の支配人になって、コースの改造をして、桜、百日紅、紫陽花、ヤマモミジ、ナナカマドを植えなおす。特にテイーグランドの周辺を低木で各ホール、テーマをもって 私だったらこぅ作り直したいと勝手に思っておりました。
バブル崩壊後、多くのゴルフ場が倒れ、今日でも売り物はたくさんあるのを仕事柄 知っています。
しかし、それを再建するには多額のお金が必要なのが解るので、老後になって一番気になるのが自分の懐にいくらお金が残っているのか? なので・・・
昔、日本経営合理化協会の宮下理事と話をしたことを思い出します。
「宮下さん よろしいな! 多くの株をお持ちで、豊かな老後の人生でしょう・・・!」
「井上さん 貯めたお金が毎月 減っていくのは心細いものですよ」
「その為に貯めたのでしょう! 使いきれないんでは?」
「年金っていいですね! 私の通帳に2か月に一度 お金が入ってくるのです。あてにしていないお金です。」
老境に入るとなかなか気楽に出金できないし、それほどお金が無いのです。
お金に関しては心細くなります。
支配人なれば毎日、ゴルフができると思っていましたが 腰や足が言うことを聞いてくれなくなりました。ゴルフ場の支配人になること 「夢破れました!」
① 土いぢりがしたい
仕事に熱中したころ 自分が老境に入ったらやってみたいことが多くあって
・土いぢり 家庭菜園で野菜作り
・季節ごとの花を植えて楽しむ
20歳代の私は広い庭でサツマイモ、チューリップを植えて妻や子供たちを楽しんでいました。
30歳に入って「男たるものこれではいかん!」世の中の人々の為に行動しなければ、家族の為にもプロ活動をして経済的にも豊かにならねばと仕事中心に生活態度を変えました。
定年になればサンデー毎日、暇ができるのだからと老境に楽しみを残してきました。
手を入れない広い庭は見る間に雑草だらけになってしまい、こいつら草の生命力には男一人では太刀打ちできず、我が家の庭は樹を植え、敷石をしきつめ、庭園ではなくなっております。
プランターであろうがこの年を迎えて、草花を育てる事は出来るようになったのですが、まず障壁が現れました。
中腰になっての作業は体力的にできなくなっているのです。すなわち、足腰がすぐに痛くなって 悲鳴を上げるのです。
苗木の買い物、準備、作業、片付け、掃除、こんな作業も楽しかったはずですが「面倒くさい」という気持ちが表れ、全くと言っていいほど行動にならないのです。 【夢破れました!!!!】